修理カウンターでよく聞く言葉のひとつが、
「水なんて一度もこぼしていません」
「お風呂でちょっと動画を見ただけなんですけど…」
というお客様の声です。
ところが、実際に分解してみると、
- 基板の一部が緑色に腐食している
- コネクタ周りに白いサビが広がっている
- ネジや金属パーツに赤サビが出ている
といった “典型的な水没・腐食の痕跡” が見つかることは少なくありません。
水にドボンと落としていなくても、
- 湿度の高い場所での長時間使用
- 高温と低温を行き来する環境
- お風呂の湯気・サウナ・車内放置
などが積み重なることで、
少しずつ内部に水分が入り込み、
時間をかけて 基板や部品をむしばんでいく のです。
「防水だから大丈夫でしょ」と油断している方ほど、
実はリスクが高い使い方をしてしまっていることも…。
いまスマホが普通に動いている方も、
“見えない水没”の仕組みを知っておくことで、故障を未然に防ぐことができます。
目次
そもそも「見えない水没」とは?
💧「水没=水に落とす」だけじゃない
水没、と聞くと
といったイメージが強いですが、
実際には 「内部に水分が入り、部品が濡れてしまった状態」 の総称です。
その水分は、必ずしも水たまりからだけではなく、
- 湯気としてゆっくり浸入
- 結露として内部に“水滴”となって発生
といった形でも発生します。
🧪内部には「水没を判定するシール」がある
多くのスマホには、内部に
- 水分に触れると色が変わるシール(液体浸入インジケータ)
が貼られています。
ここが反応していると、
メーカーサービスでは 「水濡れ扱い(保証対象外)」 と判断されることが多いのですが、
「水没した記憶はないのに、なぜかそのシールが反応している」
というパターンも少なくありません。
それこそが、“見えない水没”の典型例です。
お風呂の湯気・サウナがスマホに与えるダメージ
🛁お風呂場は“超高湿度環境”
お風呂場は、
湿度・温度ともにスマホにとってかなり過酷な環境です。
防水スマホであっても、
- ゴムパッキンの劣化
- 年数の経過
- 落下や衝撃によるわずかな隙間
などから、水蒸気が内部に入り込み、
といったことが起こり得ます。
♨サウナ・岩盤浴はほぼ「スマホお断りレベル」
サウナ内は
という、スマホにとっては “拷問レベル”の環境です。
- 内部の水分が膨張
- 接着剤・パッキン・樹脂部品の変形
- 一気に結露・水滴化
などが同時に起こりやすく、
一度持ち込むだけでも故障リスクがかなり跳ね上がります。
「数分だけなら大丈夫だと思っていた」
という方でも、
その“数分”の積み重ねが、数ヶ月〜数年後のトラブルにつながることもあります。
真夏の車内放置・冬の温度差で起きる“結露水没”
🚗真夏の車内はサウナ並み
炎天下に停めた車内は、
まで上がることがあります。
その中にスマホを放置すると、
- バッテリーの劣化が急激に進む
- 内部の空気と湿気が膨張
- 急に車外へ持ち出したとき、温度差で結露が発生
といった流れで、
内部に細かい水滴が生まれることがあります。
❄冬の屋外 ⇔ 暖房の効いた室内
- 寒い屋外でスマホを冷やす
- そのまま暖かい室内・電車内で使う
このようなパターンでも、
冷えたスマホの内部に空気中の水分が結露して付着することがあります。
結果として、
- 電源が入らなくなる
- 再起動をくり返す
- タッチパネルが誤動作する
といった症状につながることもあります。
放置するとどうなる?基板腐食が進んだときの症状
湿気や結露による“見えない水没”は、
- 一瞬で壊れるというより、
- じわじわとダメージが蓄積していくタイプの故障
です。
🧬基板腐食が進むと出やすい症状
- たまに再起動するようになった
- 突然電源が落ちることがある
- 充電しても反応が不安定
- 特定のボタンやタッチが効きにくい
- カメラが起動しない・フリーズする
最初は「たまにおかしいな…」程度ですが、
腐食が広がるにつれて症状が重くなっていきます。
⚠気づいたときには“手遅れ”になることも
腐食が重症化すると、
- 基板が黒く焦げたような状態になる
- パターン(配線)が切れてしまう
など、
バッテリー交換や軽い修理ではどうにもならないレベルに達してしまうことも。
そうなると
- データ復旧が非常に難しくなる
- 専門の基板修理でも直せないケースがある
という、かなり厳しい状況になることもあります。
やりがちなNG使用例と、今日からできる予防策
❌NGな使い方の例
- 防水スマホだからと、お風呂で毎日動画を長時間視聴
- サウナで時間確認・音楽再生に使う
- 真夏に車内に置きっぱなしで買い物
- 冬場、外で冷えたスマホをすぐに暖房の前でガンガン使う
「一度だけ」でもリスクはありますが、
特に “これが習慣になっている” 場合は要注意です。
✅今日からできる予防策
- お風呂・サウナには原則持ち込まない
- どうしてもという場合は、防水ケース+短時間利用にとどめる
- 夏場の車内放置は避ける
- 急激な温度差を減らす
- 冬はポケットの中で少し温度をならしてから操作
- 湯上がり直後の浴室前での長時間操作を避ける
- すでに不調があるスマホは、高温多湿の場所に持ち込まない
- ちょっとおかしいと感じた時点で、過酷な環境からは遠ざける
「もしかして湿気が原因かも?」と思ったときの相談タイミング
次のような状態があるなら、
“見えない水没”によるダメージが進んでいる可能性も考えられます。
- お風呂・サウナ・車内放置の習慣がある
- ここ最近、急に再起動やフリーズが増えた
- 充電しているのに電池の減りが異様に早い
- 特定のボタン・カメラ・スピーカーだけ調子が悪い
📝修理店に相談するときに伝えたいこと
- どういう環境でよく使っているか
(お風呂場・現場・車内など) - いつ頃からどんな不調が出ているか
- 水に落としたことはないか(あれば正直に話した方が診断しやすいです)
これらの情報があると、
- 内部クリーニング・基板洗浄が有効か
- バッテリーやコネクタ交換が必要そうか
- データ優先で慎重に扱うべきか
といった判断がしやすくなります。
まとめ:スマホは“精密機械”。防水でも「高温多湿」は天敵です
スマホの“見えない水没”は、
- お風呂の湯気
- サウナや岩盤浴の高温多湿
- 真夏の車内放置や冬の温度差による結露
といった 日常の何気ない習慣 から起こることが多いトラブルです。
✅おさらい
- 水に落としていなくても、内部に水分が入れば「水没」
- 湯気・湿気・結露は少しずつ基板や端子を腐食させる
- 基板腐食が進むと、再起動・フリーズ・電源不良などが徐々に増える
- お風呂・サウナ・炎天下の車内は、できるだけスマホを持ち込まない
- 「なんとなく不調+高温多湿の使用歴」があるなら、早めの点検がおすすめ
「防水だから大丈夫」
という安心感は、あくまで “新品に近い状態で、想定された使い方をした場合” の話です。
少しでも心当たりがある方は、
- まずは 今後の使い方を見直すこと
- すでに不調が出ているなら、早めの診断・内部チェック
を意識していただければ、
大切なスマホと中のデータを守れる可能性がグッと高まります。
「もしかしてうちの使い方、危なかったかも…」と思った方は、
この機会に一度、使用環境とバックアップ状況を見直してみてください。
まちスマ イオン豊橋南店
📍所在地:愛知県豊橋市野依町落合1-12 イオン豊橋南店1階
📞お問い合わせ:080-3496-2979
🕒営業時間:10:00〜21:00(年中無休)
元大手携帯キャリアショップに約5年間勤務し、店舗運営に携わる。
その後、iPhone修理業界に転身し、約10年にわたりスマホ修理事業を経営。自身で修理を手がけた経験も豊富で、これまでに累計2万台以上の端末修理を実施してきた。
「自称・日本一iCloudに詳しい男」として、データ保護やバックアップに関する深い知識を持つ。
また、経営者としてだけでなく、スマホ修理技術者のトレーナーとしても活躍し、これまでに100名以上の技術者の育成に携わってきた。
現在は、「日本全国の【想い出を継なぐ】」というビジョンのもと、「【修理で愛着を守る】」をミッションとして日々活動中。
お客様の大切なデータや端末を守る修理サービスの提供を通じ、技術だけでなく心のこもったサービスを追求している。