iPhoneの画面が割れていても「操作できるから」と使い続けていませんか?
実は“ガラス割れ”と“液晶故障”はトラブルの深刻度が大きく違い、放置するとデータ消失や突然の故障に繋がることもあります。
本記事では、スマホ修理歴10年以上・累計1万台以上の画面修理を行ってきた中村が、修理のベストタイミング、危険な症状の見分け方、Apple・キャリア・街の修理店の違い、料金表示のカラクリまで、現場目線で分かりやすく解説します。
「まだ使えるけど、このままで大丈夫?」と不安な方は、読んでから判断してください。
目次
画面が割れても「まだ使える」…本当に大丈夫?
スマホ修理の現場にいると、こんな相談が本当に多いです。
「画面はバキバキなんですけど、一応タッチできるんですよね」
「仕事でも使ってるから、できればこのままギリギリまで使いたい」
正直なところ、“まだ使える”状態と“安全に使える”状態は全くの別物です。
タッチできているのは、たまたま今がギリギリ保っているだけ、というケースも少なくありません。
僕自身、10年近くスマホ修理をしてきて、画面修理だけでも軽く1万台は超えていると思いますが、その中で
- 「もっと早く来てくれれば、データは全部助かったのに…」
- 「ここまで割れてなければ、ここまで高くならなかったのに…」
という“あと一歩早ければ避けられたトラブル”を何度も見てきました。
ガラス割れと液晶故障の違いをざっくり解説
まずは構造のイメージから。
- 一番表面:ガラス(触っているところ)
- その下:液晶(または有機EL)…映像を映す部分
- そのさらに下:タッチセンサーや基板など
「ガラス割れ」と「液晶故障」と表示を分けているお店も多いですが、
実際の修理作業としては どちらも“画面を丸ごと交換”することがほとんど です。
なので、
- ガラス料金は安く見える
- でも実際持っていくと「これは液晶までダメージ出てますね」と言われ高い方になる
ということが現場ではよく起こります。
結論:画面が割れたら“できるだけ早く”修理したほうがいい理由
「修理屋だから、そりゃ早く直せって言うでしょ」と思われるかもしれませんが(笑)、
それを差し引いても、早めの修理をおすすめせざるを得ない理由があります。
理由1:ダメージは“静かに進行”するから
割れた瞬間がダメージのピーク…ではありません。
その後も
- ポケットやカバンの中で圧がかかる
- 何度も落としている
- 画面を押し込むように操作する
などで、じわじわと内部の液晶やタッチセンサーに負担がかかり、
ある日突然「映らない」「触っても反応しない」という状態になります。
理由2:後になればなるほど“被害範囲”が大きくなる
ちょっとしたガラス割れのうちに修理しておけば、
・データも無事
・修理内容もシンプル
で済んだはずなのに、
- 黒いシミが広がってきた
- 線が増えてきた
- タッチが効かない箇所がある
といった状態になってからだと、
「データが残るか」まで話がいきます。
放置すると起こりやすい4つのトラブル
① 防水性能の低下と水没リスク
最近のiPhoneは防水性能があるとはいえ、それは画面が割れていない前提です。
ひび割れ部分は、水が入り込む“入り口”になります。
- 雨の日に少し濡れただけ
- 洗面所で濡れた手で操作した
- お風呂場で動画を見ていた
この程度でも、割れた隙間から水分が入り込み、
数日~数週間後に突然電源が入らなくなることもあります。
② ガラス片でケガ・破片の侵食
修理していると、ガラス片が指に刺さることは日常茶飯事です。
大人でも普通に痛いレベルなので、小さいお子さんが触った場合はかなり危険です。
また、割れ方がひどくなってくると
- 画面の角からガラスがポロポロ落ちてくる
- ポケットやカバンの中に細かい破片が溜まる
といった状態になり、気付かないうちにあちこちを傷つけます。
③ 液晶トラブル(線・黒シミ・タッチ不良・タッチ暴走)
液晶までダメージが及ぶと、以下のような症状が出やすくなります。
- 画面に緑の線が1本~複数出てくる
- 黒いインクをこぼしたようなシミが出る(液晶漏れ)
- 押した場所と違うところが反応する
- 触っていないのに勝手に動く(タッチ暴走)
このあたりは、もう「いつ完全に映らなくなってもおかしくない」状態です。
④ 最悪「このiPhoneは使用できません」になるケース
特に怖いのがタッチ暴走です。
- 画面がバキバキのままカバンに入れる
- その中で勝手にタッチされまくる
- ロック画面のパスコードが何度も間違えられる
→ 「1分後にやり直してください」
→ 「5分後にやり直してください」
→ 「15分後にやり直してください」
→ 最後は 「このiPhoneは使用できません」
こうなってしまうと、初期化するしか方法がありません。
バックアップがない場合、
写真・動画・連絡先・LINEトーク…全部消えます。
修理屋として、このパターンは本当にきついです。
画面だけ直せば助かったはずのデータなのに、
「もっと早く相談してくれていたら…」となってしまうからです。
液晶トラブルの危険サイン|この症状が出たら即相談
次のどれかに当てはまるなら、一度相談したほうがいいです。
- 緑や白の線が出てきた(とくに本数が増えてきた)
- 黒いシミがじわじわ広がっている
- 画面の一部が押しても反応しない
- 勝手にアプリが開く・文字が打たれる
- 夜寝て起きたらロック解除回数がやたら増えている
「まだ使えるから」ではなく「今はたまたま動いているだけかも」
という視点で見てもらったほうが安全です。
修理先3パターンの違い
① Apple(正規店・正規プロバイダ)
メリット
- 正規の保証が使える(AppleCare+など)
- 純正部品での対応
デメリット
- 予約が取りづらく、すぐには見てもらえないことが多い
- 画面だけ交換ではなく「本体交換」案内になることも多い
- 基本的には初期化前提で案内されるケースが多い
「保証を優先したい」「純正以外は嫌だ」という方には向いています。
② キャリアショップ(ドコモ・au・ソフトバンクなど)
メリット
- 料金プランや機種変更とセットで相談しやすい
- 一部、代替機を貸してもらえる場合がある
デメリット
- 実際の修理はAppleや委託先になることが多い
- 画面割れだけで持ち込んでも「機種変更を提案される」ことが多い
- その場で直ることはほぼない
③ 街の修理店(まちスマなど)
メリット
- データを残したまま修理できる
- 最短30分〜1時間ほどで即日修理できることが多い
- 機種によっては正規より安く済む場合もある
デメリット
- 店舗や技術レベルに差がある
- 料金体系や説明の仕方が分かりづらいお店もある
なので「どのお店を選ぶか」がかなり重要になります。
ガラス割れ料金と液晶料金のカラクリ
業界的によくあるパターンとして、
- ホームページには「ガラス割れ〇〇円〜」と安く見せる
- 実際に持ち込むと「これは液晶までいってますね」と言われる
- 結果、表示金額よりかなり高くなる
というものがあります。
もちろん、液晶まで壊れていれば料金が変わるのは仕方ありません。
ただ、
- 「ほぼ全部が液晶扱いになるような運用」
- 「行ってからどんどんオプションが乗る」
というのは、お客様目線で見るとかなり不親切です。
まちスマが「一律料金・データそのまま」にこだわる理由
まちスマでは、
- ガラス割れでも液晶故障でも、画面修理は一律料金
- ホームページに載っている金額=実際の修理金額
- 作業費や内部清掃などを後から上乗せしない
- 防水パッキン交換のみ、希望制で別料金
というルールにしています。
理由はシンプルで、
「自分が紹介したいと思える店でありたいから」です。
- 「この金額で直るよ」と紹介したのに、全然違う金額を請求されたらイヤ
- 行ってみたら、あれもこれもと追加されるのは、僕自身がされたくない
だから、最初から「この金額でここまでやります」と決めています。
どこで修理するか迷った時の判断基
ざっくりですが、次の基準で考えると選びやすいです。
- 保証を優先したい/AppleCare+をフル活用したい
→ Apple(正規)へ - どうせ機種変更するつもり/古い機種なので買い替えたい
→ キャリアショップなどで相談 - 今の端末をそのまま使いたい/データを絶対に残したい
→ 街の修理店(まちスマなど)へ
特に「子どもの写真」「仕事のデータ」などが入っていて、
バックアップがあまり取れていない方は、
データそのまま修理できるところを最優先で探したほうが良いです。
まずは相談だけでもOK。LINEで写真送ってもらえれば診断します
「修理するかどうか、まだ決めきれていない」
「この割れ方って、緊急レベルなの?」
そんな場合は、相談だけでも全然OKです。
まちスマでは、
- 電話での相談
- LINEで写真や動画を送ってもらっての相談
どちらも受け付けています。
こんな相談、大歓迎です
- この割れ方、すぐ直したほうがいいですか?
- 液晶までいってそうか、写真で見て判断してほしい
- 修理した場合の料金と時間を知りたい
- 仕事で使っているので、最短で直せるか知りたい
愛知県内の店舗に来店できる方はもちろん、
まずはLINEで状態を見せてもらってから来店予約もできます。
※ブログならこの部分に「LINE相談はこちら」のQRやリンクを貼ると◎です。
まとめ:画面割れを“ただの見た目問題”で終わらせないために
最後に、ポイントだけもう一度まとめます。
- ガラス割れと液晶故障は、“作業としてはほぼ同じ”=画面丸ごと交換
- 画面割れを放置すると、水没・ケガ・液晶故障・タッチ暴走などトラブルが増える
- タッチ暴走でパスコードを勝手に打たれると、「このiPhoneは使用できません」になり、初期化しかない
- データを守りたい人にとっては、**「まだ使えるか」より「今直した方が安全か」**が大事
- 修理先ごとにメリット・デメリットが違うので、優先順位(保証か、データか、早さか)で選ぶ
- まちスマでは、ガラスも液晶も一律料金・データそのまま修理 を徹底している
「画面割れてるけど、まぁそのうち…」
と思っているうちに、取り返しのつかないトラブルになってしまう人を、
これ以上増やしたくないな、というのが正直な気持ちです。
もし今、画面が割れていて少しでも不安があれば、
「修理するかしないかを決める前に」 一度相談してもらえたら嬉しいです。
その上で、「今は様子見でも大丈夫ですよ」とお伝えすることももちろんあります。
あなたのiPhoneと、その中の思い出を守るために、
プロとしてできるアドバイスは全部お伝えします。
元大手携帯キャリアショップに約5年間勤務し、店舗運営に携わる。
その後、iPhone修理業界に転身し、約10年にわたりスマホ修理事業を経営。自身で修理を手がけた経験も豊富で、これまでに累計2万台以上の端末修理を実施してきた。
「自称・日本一iCloudに詳しい男」として、データ保護やバックアップに関する深い知識を持つ。
また、経営者としてだけでなく、スマホ修理技術者のトレーナーとしても活躍し、これまでに100名以上の技術者の育成に携わってきた。
現在は、「日本全国の【想い出を継なぐ】」というビジョンのもと、「【修理で愛着を守る】」をミッションとして日々活動中。
お客様の大切なデータや端末を守る修理サービスの提供を通じ、技術だけでなく心のこもったサービスを追求している。